ハーブティーを科学する意義

image3ハーブティーの味と香りを分析する方法は、食品科学の世界で見つけることができます。
味の基本には5基味と呼ばれる甘み、塩味、酸味、苦味、旨味がありますが、舌で感じるセンサーはたかだか、数十種、甘みや旨味のセンサーは1、2種類しかないのです。

特にハーブティーの場合は、植物成分の持つ、渋み、酸味、甘み、苦味が中心となります。かたや匂いのセンサーは288種ほどあるとされていますから、実際に人間が感じ取れる風味(味と香りの組み合わせ)は数十種×288種の組み合わせということこになります。
一般的に日本の市場に出回っているハーブティーは約100種から130種ほど。 一般的なハーブは、7、80種です。そのハーブの味を決める成分は、だいたい数十種。

香りも数十種ですから、食品全体で見れば、大抵の風味は数値化できます。 ただ実際のブレンドやアレンジティーになるとさらに複雑な組み合わせが発生します。 特に飲み物の場合は、先味と後味がありますし、淹れる抽出温度や、味の相互作用によっても、人が感じる美味しさはかわります。

相互作用とは、飲み合わせなどとも呼ばれますが、一般的には、食品と医薬品の相互作用が指摘されます。
でも飲み物にも味の相互作用があるんですよ。

例えば、苦味や渋みを抑える方法のひとつに油脂を利用する方法もあります。コーヒーにクリームを入れる、ダンデライオンに牛乳を混ぜる、といった方法が代表的です。
あるいは、渋みに渋みをぶつけると緩和されるといった手法もあります。

カメリアシネンシスという、1種類の品種を美味しく飲むために、人類は、加工技術を発展させ、蒸したり、焙煎したり、発酵させたり、と工夫して、中国茶、日本茶、紅茶と様々なティーを発明してきました。その数は計り知れないほど存在します。

一方、ハーブには、100種以上の品種があります。でもひとつひとつ違う種類の植物(学名が違う)なのに、加工方法はひとつしかありません。乾燥して熱湯で抽出するだけ。。

もし、それぞれのハーブごとに、淹れ方や加工方法が違ったら、どんなハーブティーができあがるんだろう、茶葉以外の材料との組み合わせを考えたら…  想いが馳せます。

でもそのためには、「ハーブティーを科学すること」が必要です。そして科学根拠とマイスターの熟練、経験が感性を奮い立たせ、新たなハーブティーの世界をつくります。

このことをテーマにこの協会を立ち上げます。

無限の可能性を調べてみたくなったら、あなたも、立派なマイスターです。

 

(文責 橋口)

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